機動戦士ガンダム 第08MS小隊 のBGM

音楽だけ。本編については全然語りません。飯田馬野助に変わってからのアクションシーンのテンションの高さは素晴らしいと思うけど。


大きく分けて3種類のBGMがあります。

  • 弦とブラスをスタジオで被らないように録ってミキシングしたもの
  • プラハのホールで直接マイクから取ったもの
  • 弦もブラスも使わないもの

最後の1つはおいとくとして(キーになる曲でブラスがシンセだったときにはちょっと驚いた。追加録音分なのかな?)、最初二つは一緒に聞くと違和感があります。
たとえばテーマ曲であるCD1 Track12「戦士」なんてのは最初のいい例で、パートによってエコーの入り方が露骨に違うので、「別に録った」事が判ります。具体的にはストリングスとティンパニーはエコー深めで実際の本数を上乗せしてるのが判ります。
ホール録音が具体的にはCD3のことで、アクションシーンで使っているTrack10「Score X」なんかは当たり前ですが弦だろうがパーカッションだろうがブラスだろうが均等にエコーがかかってます。あと、「音量の大きい楽器」はミキシングで上げているのではなく「本数を増やす」という方針なので、クレッシェンドしていくとffになるバイオリンとビオラは結構な数を使っています。
どっちの方が聞き取りやすいかと言えば、もう圧倒的に前者です。エコーはそのホールの固有振動数に合わせて起こるので、どの音であっても特定の周波数が強調されます。なので、明らかに和声的、旋律的に重要なパートが他の音に隠れて聞き取れないとストレスがたまります。おもしろいのがプラハで録った「Score X」よりも、20周年記念コンサートの「Score X」の方が編成が豪華なのかパートが聞き取りやすかったりして。


全部が全部プラハ風ならそれはそれでいいのかもしれませんが、第08MS小隊の音楽というとCD1 Track12が「ここぞ!」と言うときにかかって盛り上げるようなつくりなので、混在していたら違和感あるだろうなぁ、と思ってみたり。
実際に同時に流すときにはBGMにエコーを載せて(エコーを載せることは出来るけど、録音済みのものからエコーを切るのはちょっと難しい。出来なくはないけど、関係ない音まで削れちゃう)違和感を出さないようにしていたのかなぁ、と、そんなの事を考えるのでした。
08小隊見直すかなー。6時間かかるんだよなー。全部見ると。


ちなみにGガンダムの「最強の証、キングオブハートのテーマ」はサウンドトラックと20周年の夜バージョンでは別物です。ずっと後ろで流れているブラスの分散和音がほとんど聞こえなかったり、下手すると前半のブラスのメロディがストリングスやパーカッションの刻みに負けたり(周波数が被ってる上に低い)、原曲知らないとどこ聞いていいんだか判らないだろうなぁ。
原曲はメロディはギターシンセサイザーディストーションなので、ホルンやユーフォニウムよりも耳をたたく音でしたしねぇ。ベースもエレキベースですし。
オーケストレーションって難しいなぁ。