AtomZシリーズのIPC(Instructions Per Cycle)とARM Cortex-A8のIPC

両方、Dhrystone MIPS換算で、ほぼ周波数に比例しています。

i.MX515 1GHz 2100MIPS 2.1MIPS/MHz
Snapdragon 1GHz 2100MIPS 2.1MIPS/MHz
Atom Z520 1.3GHz 3235MIPS 2.4MIPS/MHz
Atom Z530 1.6GHz 3953MIPS 2.4MIPS/MHz

ってことは、周波数で性能を単純比較できそうな気配です。
ちなみに、見ていると悲しくなる「ふつーのCPU」Core i7の性能。

Core i7 965 3.2GHz 84860MIPS 27MIPS/MHz

わはは、周波数はさておき、IPCで桁一つ違うよ。


・・ふう。
気を取り直して。
かねてよりの持論として「仮想化が十分に進めば物理ハードウェアに縛られることはない」と思っているのですが、その意味ではIntelIA-32とARMはほぼ同じ土俵にたっているといえます。IA-32は「性能を落として省電力」でここにたどり着きARMは「電力はそのままで高速化」でここにたどり着きました。
なので、消費電力で比べちゃうと、さすがにARMには全然かなわないというか。なにせ、当のARMがこう高らかに謳っています。

 アクティブ電流とスタンバイ電流を併せて考慮すると、結果が明らかになります。Intelは、プロセッサが時間の80%をディープ・スリープ状態で過ごし、最大速度で動作するのは時間のわずか1%と仮定して、800 MHzにおける平均消費電力を160 mWとしています。同じ仮定におけるOMAP 3 Cortex-A8は、25 mW、すなわち電力の約15%しか消費しません。

そりゃそうだろうよ、とは、感覚的に判ります。なにせ、AtomZシリーズは「あったかい」ので、Sleep状態でも。というかSleepしてる気配はないので仕方ないかなーってかんじです。携帯電話みたいに「ほとんどの機能を落として着信割り込みを待つ」ということすらもできないので(というか、してるんだろうけどそれにしては電気食い過ぎ)、まずはその土俵にたたないとね、という感じです。
フルスペックでぶん回したときにARMの方が多少Atomに性能が劣るというのはあるかもしれませんが。
とはいえ、再三書いているように「仮想化が十分に進めば」という前提付きです。まだARMのソフトウェアの仮想化が十分に進んでいるかはちょっと疑問です。たとえば、OpenOffice.orgはARMポートがありますが、Java関連機能は軒並み使えません。なにせ、Javaがないので。Base(DB関連機能)もだめっぽい。
Unix like OSはソース互換の歴史があるのでビルドし直せばいろんなところで動くとは思いますが、せめてJavaぐらいは軽々と動いて欲しいなぁ、と思っています。JITとはいわないから、Jazelle機能を使ったりして。せっかくJava言語で開発しているAndroidですらDalvikVMはJazelle使ってないしなー。
評価版といわず、本気のARM用HotSpotVMをSunに投入してもらいたいものです。Linux+X11決めうちでいいからさー。何もQtopiaAndroidに対応しろとまではいわない。絶対すごい需要あるって、特に組み込み関係で。