Androidのある未来

私の中での「Google Android」というプラットフォームの位置づけは「洗練されたUIを持つ、作りやすい組み込みプラットフォーム」です。今は電話機能がメインになっていますが、ネットワークにつながりさえすれば、電話を中心に置く必要すらもないと思っています。逆に、ネットワークのつながらないAndroidはほぼ無意味だと思います。洗練されたUIで何をするのか、というところですね。つながっている先がクラウドであるのが最大の特徴というか。
現在のAndroid携帯は、個人が持ち歩くことを前提にしているので「ログイン」がありませんが、家電に組み込まれたAndroidはきっと「ログイン」が必須になるになることでしょう。もしくは普段はゲストアカウントで動いていて、必要なときだけ一時的に「ログイン」して、ほっぽっとくとかってにログアウトしているくらいで良いでしょう。
ここで期待している家電というのはHome Automationの端末です。エアコンやライトなどの制御もできる、オーディオも操れる、テレビも見られる、ついでにネット端末にもなるというぐらいの緩さで。
そういう意味で、「Android搭載のディジタルフォトフレーム」はなかなか良い線いってるなぁ、と思います。普段はただのフォトフレームなのに、Home Automationの端末としても使えて、メールやWebを使うときにはGoogleに「ログイン」すればフル機能使えるという。無線LANしか使えなくても十分ですね。外に持ち出しませんから。


これと、CromiumOSは微妙に立ち位置が違います。CromiumOSは良くも悪くも「Web上から提供されるサービスを能動的に使う」端末です。デーモンタスクもないですし(HTML+JavaScriptベースのデーモンタスクって、実在していたら怖いなー。WindowsのActive Desktopがそうかな?)、ユーザーが働きかけないと何も提供されません。確かに能動的なサービスはWebベースだけでほとんどがまかないきれるとは思いますが(JavaFlashを使わなくてもね)、家電の一部として組み込まれることはさすがに想定していません。というか、家電の一部にするにはブラウザという実行環境はリッチすぎです。もっとシンプルな実行環境で困らないはず(もちろん、今時のコピー機自動販売機のUIはもっとリッチなFlashで動いている、という事実を踏まえた上での発言ですよ)。
PalmのWebOSは非常におもしろい環境だと思いますが、あそこまで行くと組み込みとしてはちょっと行き過ぎ。UIの無いところでそれなりに動くようになっていた方が家電組み込みには向いていますね。
ユビキタスコンピューティングという考え方は実に10年以上も前からずっと言われ続けてきたことではあるのですが、思ったよりも実際には使われてませんねぇ。今後のAndroidに期待かな。


落ちはありません。