恋愛小説ふいんき語り(ISBN:9784591100059)読了

おもしろかった!
ただ、今までのシリーズに比べて、かなり神妙な本に仕上がっています。麻野さん飯田さんの拒絶率がまぁ、高いたかい。なので必死に取りなす米光さんという構図が加速しています。孤独は鳴りますよね。うん。
でも、今回、ろくすっぽ原作読めていません。唯一読んだことがあるのは夜のピクニックぐらい。これも、水戸一高に行った友人( Florian は水戸出身)の歩く会の話をさんざん聞いていたのでそれから引っかかっただけで、恋愛小説として読んでませんでした。いかんなぁ。潤いが足りないなぁ。あ、茶川賞受賞作の蹴りたい田中……は違うな(^^;)。
今後の課題として、女性向け恋愛指南書(ちょっと楽しかったらしい)と恋愛小説を読みあさらないとね。


ちなみに、長いこと携帯界隈で飯を食っていますが、携帯小説はちっとも読めていません。とくに、携帯で書かれたタイプの小説は、もう全然手を出せずにいます。携帯で書かれた超メカハードSFや、ロリ美少女萌え小説とかがあったらほいほいついて行くのでしょうが(きちんと探せばありそうだな)、若者の等身大の真情を吐露しているものがおおそげだしなぁ。
携帯で普通の小説を読むのはだいぶ慣れてるんですけどね。
今回、ディティールが全くないまま突き進んでいるという 恋空 の文章と展開に興味を抱いたので、勇気を出して読んでみようかと思っています。もちろん、携帯で。


最近、作劇とその心理効果と死亡フラグについて良く考察しています。物語の類型として死亡フラグなんてものがなぜ存在するのかと言えば、そりゃもちろん最適なタイミングで殺すのがもっとも心理効果が高いからでして、この本の途中で出てきた恋愛小説人権委員会に対しては微妙に異を唱えたい今日この頃。
死亡フラグを立てられなくなったら、物語を書くのに困ってしまいます。
嘘。私はほとんど困らないかも。殺すのは得意だけど(おーい(^^;))、わざわざ死亡フラグを使って表現するような物語書かないし。
ま、これは後ほど。みっちりと別エントリーで。


しかし、後書きの飛ばしっぷりは凄いです。
麻野さん、その小説、ある意味胸がキュンとします(^^;)。
飯田さん、告白があんまりにヘビーです(^^;)。
米光さんのあがきはよくわかります。でも、これらの恋愛小説の本来のファン層には確実に届かないドンキホーテな行為なんでしょうねぇ。今回のこの本に載っていた一連の元連載は、何となく女性向け(何だよね、あれ)のastaでやっていましたが、ふいんき語りと小川一水は露骨に浮いてましたし……。
物語を読むという個人的な行為は、絵空事にいかに感情を動かされるか(もしくは、絵空事をいかに自分の感受性に重ねられるか)という行為にほかならないので、露骨な男性が女性作家の物語に重ねるのが難しいのは、もう当然の帰結だとは思います。なんだかんだ言っても、性差ってでかいですし。
難しいなりに自らの物差しで測ろうという行為が、その物語本来の客(女性ですね)に対してどこまで希求するかは、かなり危ういんじゃないかなって気はします。
そういう意味で、日本文学の時に比べてだいぶ迷いみたいなものが見える本に思えました。
ま、私は露骨に男なので楽しかったですけど。


以上、若者風に携帯で書いてみました。だめだね、短いくせに接続詞だらけの文章になっちゃって(^^;)。良くこれで長文書けるよなぁ。
(追記)
あ、よく見ると米光さんのところ(http://blog.lv99.com/?eid=728966)でトラックバックを受け付けてる。トラックバックしちゃえ!
(追記2)
トラックバックに失敗していたらしい……。と、当の米光さんに指摘されたのであわててやり直し。指摘ありがとうございます。