スピーカーの存在を感じさせるのは「歪み」の所為か?

以前から「スピーカーの存在を感じるとなんか*醒める*」という話をしていましたが、愛用しているTimedomain miniの制作元であるタイムドメイン社のQ&Aに興味深い話が載っていました。

詳細な内容に関しては直接サイトの側を見てもらった方がいいのですが、誤解を恐れず要約するとこんな感じ。

  1. 録音された音は、録音時のマイクの位置の波形(A)が直接入っているはず
  2. でも、再生時の波形(B)には録音時のマイクの位置の波形を「ひずませる」なにかがある
  3. スピーカーないしはアンプ固有の歪み(A-B)がスピーカーの位置を意識に登らせる

ま、当然と言えば当然の話ですね。
たとえばAの周波数解析成分とBの周波数解析成分を引き算すれば周波数解析的な歪みの正体が分かりますし、歪みは再生点から直接発生しているので「元の音+スピーカーからの歪み」が耳に入ってくる形になりますから、スピーカーの位置は嫌でも意識する羽目になります。
でも、これを解消出来た理由は「タイムドメインスピーカーだから」という訳でもないような気がするのです。


そりゃ、タイムドメイン社のスピーカーは「波形の忠実再現」のためにいろいろやってるのは判るのですが、従来方式の周波数特性を原音忠実にする方法論でも歪み自体はある程度押さえられるでしょうし(というか、そのために一般的なオーディオはかなりいろいろやってるはず)、何よりもタイムドメイン社のスピーカーは「波形の忠実再現」のためにいろいろ犠牲にしている部分がある(超高音や、超低音はフルレンジ+小口径という機構上無視せざるを得ないはず)でしょうから、その点においては結局「歪み」に近いノイズは乗るんじゃないのかなぁ、と思えるのです。
ま、メーカーの公式返答なので自社製品に有利な返答が乗るのは営利企業として当然としても、実際のところどうなんだろうなぁ、と思ってしまうのでした。


あ、念のため。 Florian 自身は別に大音量や、超高音や超低音を余り期待してないので、Timedomain miniの通常可聴域の再現性には満足してます。そういうものが必要になるケースの存在は認めた上で、ね。