東のエデン

劇場版2本目の最後まで。


うーん。
テレビシリーズ前半のおしゃれさは後半に行くにつれて薄れて、映画まで行くとべたべたな話に。羽海野チカのキャラクターだけが浮いていて主人公に到っては空気。前半は存在に意味があったのに。
UGCの話も、ARの話も、「携帯電話である」という話もどんどん薄れて、そのうち「電話をかけていると予算が尽きるから作内オリジナルのVoIPで」とやり出す始末。ガジェットが浮いてるよ。もったいない。
ストーリーとして持ち上げるべき部分を「エデン(楽園)」としたいのならもっとエデンに意味を持たせなければ落ちが弱いのにあんな小さなところで話が終わってしまうのもかなりいまいち。できることはまだまだ沢山ある。と、いいたいのかもしれないけど「できないことの方がずっと多い」としか見えないんじゃ無意味だろうに。
テレビシリーズのオープニングの歌はよかった。


あれだな。
たぶん脚本を書いているうちに「何か判らない閉塞感を打破する楽園」のイメージが変容していってどんどん矮小化していったんだろうな。途中で元ニートを雇用した東のエデンのメンバーが就労意欲のない(いや、あったらニートじゃないし)、スタッフに対して嘆いてみたり、革マル派の成田へ向けたトンネルを通っては「俺たちに足りないのはこれ」とかいっちゃったり(言うなよー、そんなことー。誰もが足りないことを判ってるし、だからこその閉塞感なのに)、いろいろ思考の残りかすが見えるのが痛い。
Mr. Outsideの正体は面白かったし、スタッフロールのあとのちょっとしたお遊びはよかったけど、お遊び以上のものではないよなぁ。
手垢のついた表現をすると「骨太じゃない物語」ってやつ? みたいな?
っていうか、迷ったコンテンツはパッケージ越しに見えるってば。