茨城大学演劇研究会講演「遭難、」私ならこう書く

いまいち、なんて言ってそのまま放置ではクリエイター(はい、ここ笑うとこ)としては寝覚めが悪い。
なので、勝手に改変。
明日の講演もあるので長文扱い。


最後の最後で不倫相手の仁科が机の下に隠れたあと、里見が「先生」に電話をして全部の告白をする。そのあと、おもむろに「仁科」が机の下から現れる。
「話は聞かせてもらったわ」
「仁科さん!」
「何言ってるの、私は『先生』よ」
「え? だって、あれは私の回想シーン……」
「あのとき、回想シーンで『先生』が私だったことに気づくべきだったわね」
「そんな……」
トラウマを正当化して「誰も私の考えていることなんか判らない!」とか叫ぶ里見。
「そう、判らないわよ!」
それまで話を聞いていた江國がおもむろにカーディガンの袖をまくる。その腕からはしたたる血が。
「私は虚言癖があったの。今いるあなたが私であってもおかしくないわ」
「ちょっと待って! あなたは私が回想シーンで勝手に当てはめたキャラ……」
「違うわよ。あれは私。そしてあなた。あなたは誰にも理解されない。私もあなたが理解できない。誰もがだれもを理解できない」
そこにかかってくる電話。おもわずとってしまう里見。
「え! 仁科君が意識を取り戻したですって!?」
全ての視点が里見に集中する。里見は現実が理解できない。取り繕ってきた現実が音を立てて崩れる。
「うそ、嘘よ! 全部嘘なんだわ! 仁科君が自殺したのも嘘。私が虚言癖があったのもの嘘。今この瞬間だって全部嘘。そうよ、あの窓の向こう! 3階の窓の下にはきっと現実が待ってるのよ! あの日望んでかなわなかった私の望む現実が! いまこそ!」
窓を開けて飛び込む里見。
暗転。効果音。どさっ。
真っ暗な中ナレーションが響く。
聞き慣れた声。それは不破の声を借りた仁科少年。
「ええ。そうなんです。僕が本当に好きだったのは里見先生でした。あの人に手紙を渡した時に僕は悟ったんです。ああ、この恋はもう終わったんだって。え? 江國先生? 江國先生に手紙を頼んだんだけど、断られちゃって。もう、3ヶ月もずっと悩んだよなぁ」
照明がつく。職員室には誰もいない。


というメタフィクションを考えてました。途中で。
窓の外が青い空、ってあたりでちょっと期待したんですけどねー(期待するな、そんなもの)。