日本アニメの経済地理学(1)(2)

特別講義を細切れの時間で聞こうというのがどだい無理があるんだけど、なんとか最後まで聞きました。
サンライズの内田プロデューサーが「SDガンダムフォース」(2004/1)をいかにしてテレビシリーズとして成立させたかを話していました。
この時点(2007/3)ではまだ「きらりんレボリューション」(2008/4以降CG)はまだだけど「サルゲッチュ」(2006/4)はやってたのか。10分番組と30分番組1年じゃスケールが違うか。「Igloo」(2004/7)や「星の海のアムリ」(2008/5)みたいなOVAとはスケジュール感もだいぶ違うだろうしなぁ。
もちろん、この講義の時点で「アップルシード」(2004/4)もやってたので、日本のアニメがピクサーやドリームワークスにひどく劣るってものでもないような気も(や、ピクサーにはかなわないかも)。
予算の規模が圧倒的に違うのはたしかで、テレビ自体がほとんどCM扱いでメディア、キャラクター展開でやっと予算を回収する日本風のモデルと、「映画単体」で予算を回収するアメリカ風のモデルではビジネス展開が全然違うのは確か。
ただ、この講義のあとでヒットした「空の境界」「リリカルなのは」「涼宮ハルヒの消失」「時をかける少女」という小規模アニメ映画についてはさすがに語られませんでした。……違う、「サマーウォーズ」(2009)はやってないけど「時をかける少女」は2006だ。小規模上映の「映画シリーズ」という珍しい展開は日本ならではのゲリラ戦法ですね。でも、劇場だけでは予算を消化できないんだろうなぁ。


ちなみに、完全CGという意味では「秘密結社鷹の爪」(2006/4)という超色物もあるけど。「デジガール」(2000)とか(笑)。CGIとCGでは天と地ほど違いますかそうですか。
日本の「低予算CG映画」の歴史は結構古くて、「VISITOR」(1998)とか(なんと脚本は伊藤和典!)、「A.LI.CE」(1999)とか(なんとキャラクターデザインは木崎ひろすけ!)、「Malice@Doll」(2001)とか(なんと脚本は小中千昭!監督は元永慶太郎!!)、「ファイナルファンタジー」(2001)とか(笑)。とはいえ、講義にあったとおり「日本ではゲームのためのCGが発達して劇映画方面には進まなかった」というは確かですね。
言っちゃあ何ですが、映画「ファイナルファンタジー」よりも、がびがびのポリゴンでリアルタイムレンダリングでけなげに演技していた「AZEL Panzer Dragoon RPG」(1998/1)とか、頑なにムービーを使いたがらなかった「メタルギアソリッド」(1998/9)の方がずっと感情表現という意味ではうまくCGを使ってましたしねぇ。作品としてはどうしようもなかったけど、綺麗ではあった「ファイナルファンタジー8」(1999/10)とかも。


え? 「シェンムー映画版」(2001/9)? アレはなかったことにしましょうよ。「龍が如く映画版」(2007)は面白かったことだし……ってCG関係ないよ!


ちなみに、調べて行ったら「日本最古の商業アニメ作品へのCG応用例」は「タイムボカン」(1975)らしい! あのタイムトンネルをくぐり抜けるところは「スキャニメイト」という手法なんだそうな(特撮だと「ミラーマン」(1972)が最古)。アナログコンピュータとは、またレトロだなぁ。
ゴルゴ13」のメタボール頭蓋骨(1983)じゃなかったのか。アレはなかなか衝撃的な映像だったんだけど。