臥薪嘗胆プロジェクト

Florianの一挙一動を追いかけているFlorianマニアの人は気づいたかもしれませんが、情報提供用Wikiのアドレスが変更になっています。

独自ドメインを管理したり、マシンのハードディスクのMTBFを気にしたりするのに嫌気がさして、ありもののWikiサービスで「一番なくならなさそう」なところを選びました。Googleはしばらくは無くならないでしょう。
で、ここにひっそりと新ページが追加されています。

更にその中に、サイトマップを見ないと判らないページが1つ有ります

今回は、これについて話をしたいと思います。


「臥薪嘗胆プロジェクト」は、Florianの人生設計のプランでもありますが、それ以上にやらなければならないことをどう進めていくのか、という道筋が書かれてあります。
元々放送大学に入学したのは、まとまった知識を順に手に入れるためでした。心理学に関しては昔から興味があり、一時期大学・大学院レベルの教科書を片っ端から読んでいったのですが、どうにも基礎に当たる部分と「どのような道筋で学ぶべきか」という視点が欠けている気がしてならなかったので、心理学系のカリキュラムが充実している放送大学をまずは試しに当たってみて、思いの外感触がよかったので入学を決めたという流れがあります。
また、この心理学的な知見を応用した論文を実際に書いて、何らかの発表の機会を得ようというのも目的の一つにありました。なので、必修ではありませんが卒業研究は行う予定です。
で、何を研究するのかといえば、「心理学を応用してもっとおもしろいゲームを作る」ということを研究する予定なのです。


現代の心理学は哲学的な思索がメインではなく、何らかの指標を仮定して定量的なデータを集め、それについて考察をする方向で進んでいます。もちろん私もその傾向に則り、心理学的知見をまずは学習して、その上でゲームに応用する方法を考えます。そして作ったゲームを元にサンプルを集め、定量的なデータを溜めて仮説を検証するという作業を行おうと。
幸いにして、放送大学には大学院があり、博士課程前期(一般には「修士」と呼ばれます)の資格を取ることができます。ですが、2010年のアクションプランで「早い段階で博士課程を作る」という目標があり、速ければ数年のうちに博士課程ができる可能性があります。
さすがにフルタイムで研究に費やせるほどに時間の余裕はありませんが、研究とその結果を論文に起こす時間くらいは取れそうですので、放送大学をフル活用して博士資格を取り、なおかつそれに見合った論文を心理学の学会誌に載せていく予定でいます。


でも、先ほどから書いている通り、心理学で博士号を取ること自体が目的ではありません。あくまでこれは手段。目的は「心理学を応用しておもしろいゲームを作る」ことにあります。
ゲームはまだ若い業界です。ですので、「ゲームについての学会」というのはまだほとんどありません(実は一応ある(http://www.gameamusementsociety.org/)のですが、まだ学会の体は為していません)。そこで、まずは博士号を取った上でどこかの大学に「ゲームデザイン学」の研究ができる准教授などで潜り込み、研究の傍ら研究成果を使ってゲームを実際に作り、ゲームに対するアカデミズムを作ろう、という野望があります。
ゲームの周辺を研究する大学はあります。以前立命館大学に「ゲームの学科」ができたと聞き関係者に話を聞きに行ったことがあるのですが、立ち上げた先生曰く「商業ゲームという切り口で社会を学習し、経済や社会を学ぶ」という目的があって「ゲームデザイン」は研究する予定はないと聞いてたいそう落胆しました。もっとぶっちゃけていうと「ゲーム」とうたって学生を集め、「ゲーム周辺」の社会を学習させて、ゲームとは無関係な職種に就かせることが目的であり、ゲームを作ることは学科の目的にないといわれたのです。


そうじゃ、無いだろうと。
小説には小説の創作技法があり、それは研究され、研究の成果は創作にフィードバックされています。映画もそう、音楽もそう、芸術もそう。だったら、同じ創作物としてくくられている「ゲーム」の創作に特化した研究だって有っていいではないかと思っています。
いきなり学科を作るのは難しいと思います。でも、研究室レベルであれば、十分な成果と博士号があれば潜り込むことはできると思います。
そして「ゲーム創作のアカデミズム」を何とか作り、日本の(可能であれば世界の)ゲーム制作のレベルを上げたいという野望があります。
大学や学界という権威そのものが創作をすることはありません。でも、権威があれば今よりも「ゲーム創作」について語っても許される雰囲気ができるだろう、と。
個人の感性やインスピレーションにのみ頼ったゲーム制作ではなく、マーケッティングの要請から生まれたゲーム制作でもなく、「ゲームがゲームであるだけでおもしろい」状態を定量的に作ることができれば、それに越したことはないと思っています。


これが、プロジェクト「臥薪嘗胆」です。放送大学は単なる足がかり。でも、放送大学内に研究室を持てるのならそれに越したことはないですね。現役のゲームクリエイターの人が、実際にゲームを作りながら学べますから。


さあ、おおっぴらにしちゃったからもう逃げられないぞ(笑)。