MZ-1500の思い出

X1やサードパーティ製ハードウェアで好評だったPCGに凄いこだわっていた機械でした。
文字のレイヤーが40*25の1000文字なのを利用して1024個のPCGを並べてフルグラフィックを実現していました。残った24文字はそのままPCGとして使えます。
ところがこの24文字を実際に表示させると、そこに並べてあったフルグラフィックは「縁付きで抜ける」のですな。そりゃそうだ。PCGが並んでるだけなんだから。雰囲気が知りたい人はMarkIII用のスペースハリアーを想像するといいよ(VirtualConsoleにもでてるし)。
とはいえ、フルグラフィックを使うのなんか滅多にないし、まあ、いいよねー、といいたいところなのですが、フルグラフィックじゃなくても「背景をPCGで書くとキャラのいるところだけ抜ける」のは変わらないのでした。
ええ、仕方ないのでキャラクターのグラフィックはメインメモリに4プレーン分(1プレーンはANDマスクのためのもの)持って、「キャラクター専用PCG」に背景と合成して表示していました。1プレーン分andをとってはorをとるx3なのでまぁ、遅い遅い。たくさんキャラクターを出すとPCGのバッファが足りなくなるし、アーケードゲームの基盤がうらやましくなったっけなぁ。


しかし、ホビーパソコンとアーケードゲームの基盤の乖離があんなに激しかったのはなぜなんだろう? BG面+オブジェクト(スプライト)という機能を持っていたのはぶっちゃけていうとTMS9918だけ(後継のV9938はBG面ではなくなった)。あとはオブジェクトといえばX68000のCynthiaとPC-88VAもあるけど、BG面はなかったし、サウンドを別CPUに任せるという定石もPCではほとんど使われていませんでした。グラフィックやFDCを別CPUにした例はそこそこあるんですけどね(FM-TOWNSのDMAによるスプライトの実現はUPLのハードくらいしかやってなかったので論外)。
PCを設計していた人たちはアーケードゲームに興味なかったのかな?
いや、もしかして逆かも。アーケードゲームの基盤を設計していた人は実は少数で、その弟子たちが似たようなハードを作っていったのかも。ほら、元カプコンのハードウェア技術者の人がNMKに移籍したりとかいう噂もあるし、似たようなことがあちこちで行われていたのかも。