SymbianとDalvikとAndroid

帰りの電車の中でしみじみ考えてみました。


アプリケーション層から見た場合、Androidのアプリケーションは所詮JavaVMであるDalvikの内側からしかハードウェアを触れません。
なのであれば、アプリケーション開発者からするとそのホストOSがUnix Like OSである必要は必ずしも無く、Androidという環境と、Dalvik上で動くAndroidアプリケーションは分離されてても何ら困らないんですよね。DoCoMoAndroidに色気を出しているのもアプリケーション層にかかる移植工数を減らそうという意志があるのでしょうし、通常の携帯電話向け組み込みアプリケーションよりはずっと構築の工数も低いでしょう。何せJavaですし。
ただなー、これがハードウェア側実装者の側から見るとドキュメンテッドな部分が広く、ドライバを作るのに(さほど)専門的な知識のいらないUnix Like OSと、効率と安全性を確保するために様々なテクニックを駆使しなくてはならないSymbianでは、技術者の確保にかかる手間がだいぶ違うだろうしなぁ(ちなみに、手を着けてしまえば大した工数の違いはないと思います。Symbianはそういう意味では優秀)。
Dalvikを実装しても、メリットを受け取れるのがSymbian側の人たちだけで、アプリ構築側は無関係、ハードウェア構築側の人たちはかえって苦労する……という状況では、一本化する理由はあんまりないように思われます。
というか、だいたいDalvikは出来合いのカーネルとドライバの上で、いかに楽に組み込みアプリを作るのかということに注力しているように見えますので、カーネルとドライバがライセンス的、技術的に面倒になるのならAndroidとしては今のUnix Like OS以外を選ぶ理由がないんですよね。
それとも、Symbianの人たちがライセンス的、技術的にUnix Like OSよりもメリットがあると考えてるのかなぁ。オープンソースになったとはいえ、使用権自体はたぶん有料なんだろうし……。


というわけで。
Symbian(というかSeries60)用のDalvikはすぐに出そうですが(実際EPOCの頃からJavaサポートに熱心だし)、AndroidカーネルLinuxを捨てることはなさそうな気がします。
これでLinixを捨てたら……Androidはハードウエアメーカーに見放されるんじゃないでしょうか?