密室・殺人

小林泰三
読了。
ネタバレを微妙に含みます。


けど、べつにそんなことを気にするような推理小説じゃないような気もしますが(^^;)。推理小説(ミステリー)は表現手段のことであって、楽しみ方ではないという見方はできますし。


もういいかな?
おもしろいにはおもしろかったですが、ミステリーとしては、いっちゃぁ何ですが三流です。
ミスディレクションがミスディレクションの役目を果たしてないし、明らかな矛盾はそのままわかりやすい鍵になっています。おかげで、探偵が出てきて、さて、というところが微妙にクライマックスにもカタルシスにもなっていません。
探偵の正体も初っぱなからばればれですし(なにもあそこまでばればれにしなくても(^^;))。
でも、おもしろかったです。
たぶん、文章と異様なシチュエーションの構築ですね、魅力の大半は。インタビューはどれも何とも不思議な描写でキャラクターを書いていますし、主人公が幻覚を見るシーンのひとごと感は凄いです。さすがホラー。