超吸血幻想譚ネフィリム

小林泰三
読了。


おもしろかった!
人間側からのスタンスで吸血鬼の科学考証を推測したり、吸血鬼自身が自分の体をセルフモニタリングしたりと、片っ端から作内の出来事に解説が付いているのがおもしろいです。なるほどなー。これはSFだわ。
その上で幼女とおじさんだわ、エヴァンゲリオンというかもののけ姫というか幻魔大戦というか、そんな感じの怪獣だわ、アイディアを駆使した超兵器だわ(人間側が要所要所できちんと負けるので超兵器の凄さが際だつ)、スプラッターホラーにクリーチャーだわ、いろいろとその手合いの何かを詰め込んで破綻していないというのがいいですね。
しかし、どんなアイディアやSF考証を駆使しても、結局アクションですべてけりを付けるという芸風は、なんというか、J.P.ホーガンですね(^^;)。
一時期、J.P.ホーガンを目指して挫折した身としては、出来上がりの良さがうらやましい限り。