歩兵型戦闘車両ダブルオー
坂本康宏。
軽いし、安直だけど、安直上等!
大地を揺るがす大ドラマもなければ、ドラマ自体も上滑りしてるというひどくいびつな小説ですが、露骨に作者が楽しませようとしているところが、
- 巨大ロボットを渡世のしがらみで動かしたい!
- 巨大ロボットのパイロットが叫ばなくちゃならない(個人的に)合理的な理由を示したい!
これだけしかなくて、少なくともこのコンセプトは十分満たしているし、なによりコンセプトが実現されるだけで十分おもしろいです。
ネタ一発で楽しませるのはかなり好みです。
おもしろかった!
しかしこれ、文脈依存小説の極みだねぇ(^^;)。
巨大ロボットアニメという文脈があり、特撮映画という文脈があり、空想科学読本系の文脈があり、流れ流れた末でどれにも造詣が深くないとおもしろくも何ともないの。
露骨にウルトラマンだった「ΑΩ」は、あれ単体でも楽しめるのに、これはそもそも知っていることが前提という……。
まぁ、SFという狭いジャンルの中で客層を絞ること自体がそんなに凄いまずいものでもないでしょうし、マーケティング以上の物ではないのですが、なんとも。