出せなかったゲーム「ふらぺろん」

今時戦闘機においてトラクタ型の航空機はほぼあり得ませんが、これは全長を長く取らざるを得ない「ジェットエンジン」というもののせいだと考えられます。
じゃぁ、プッシャ型で、なおかつジェットエンジンじゃないものに何があったかというと、「震電」みたいな色物しかなかったりして。ま、戦闘機じゃなかったら、スケールドコンポジットの「ベリイージー」みたいなのもありますが。
まぁ、普及していない理由はいろいろありますが、大きくいうと、「ある時期、トラクタ型の方が有利になった時代があったため」としかいえません。航空機はかなり経験を重んじるので、何かメリットがあったとしても新規技術よりは実績のある技術を選ぶ傾向にあります。かくして、いまさら技術をリセットすることもできずに、プロペラ駆動の航空機はトラクタ型が多いのでした。


で。

  • プッシャ型航空機が飛び回る世界が見たい(できれば竹内敦志みたいなラインで)
  • 女の子じゅーよー
  • 宇宙ネタを絡ませたい

という色気出しまくりのゲームの企画を立てたことがありました。ジャンル的にはTPのフライトシミュレータ+ギャルゲー。まぁ、ありていにいってガンパレードマーチスカイガンナーをかけて2で割ったようなゲームです。
ストーリーとしてはこんな感じ。

一度、いろんな理由で文明が滅びちゃった地球。細々と生き長らえてきた人類は何とか航空機というものを実用化する時代までたどり着きました。ただ、元の文明に比べて地上輸送よりも航空機による輸送の方が発達しちゃったため、世界の空は混み混みに。
そこで、世界の人たちは力を合わせて「交通整理」を行う組織を作り上げます。その組織に属し、水先案内と交通整理を行う職業の人を「空士」と呼び、それを養成する機関を「サーフェス」と呼んで全世界から16歳くらいの若者を集めては育て上げるのでした。
「空士」は過酷で名誉のある職業ですが、実際に現場に出ていられるのは30前までのわずか10年たらず。そのうえ、事故などによる死亡率もかなり高く、あまり皆がなりたがる職業ではありません。
でも、「サーフェス」は基本的に学費は無料(ただし、自己原因で途中でやめるときには膨大な賠償金を払うことに)、そのうえ、うまく「空士」を勤め上げることができれば、基本的に一生食うに困らないということもあって、まぁ、どちらかというといわくありげな若者が毎年集まるのでした。

サーフェスは世界に5カ所。アメリカの「フラップ」、フランスの「エルロン」、アフリカの「エレベータ」、オセアニアの「ラダー」、そしてゲームの舞台となる日本の佐渡が島沖の「フラペロン」。あと、世界のどこかに第6のサーフェス「エレボン」があるとかないとか。
主人公たちは空士になるための勉強をしながら、飛行機を使ってアルバイトをしたり(輸送やタクシーみたいなことは許可されてる)、恋をしてみたりしながら「サーフェス」での3年間を過ごすって感じです。


本筋としては飛行機を使ったシナリオを絡めた学園ものですが、途中から、空士の頂点に立つ「世界空士」のはなしと、卒業後に突如行方不明になる人が数年に一回のペースで出るという話と、GPSと天気予報から宇宙での遺産の話とが絡んできて、最後はコンピュータを使わずに人力で宇宙飛行をするところまで話を持っていこう……とか考えていました。
いや、書けば書くほど構想が巨大になっていって、「ガンパレードマーチ」の部分も巨大に、「飛行機」の部分も巨大になってしまってとてもじゃないけど作れないのであきらめたような。
ちょっと気に入ってたんですけどね。「サーフェス校」という設定も、「ふらぺろん」というタイトルも。
と、考えただけで結局出ないのはしゃくなので、アイディアだけでも公開します。いいもん、今度はもっといいアイディア考えるし。