OLPC eToysの教育的ゴール

OLPCの実物を見て、なんとなくやる気になってる今日このごろです。ただでさえ時間ないのに(^^;)。
言語力は努力と根性かぁ。まずは英会話の教材でもそろえるかなぁ。


それはともかく。昨日のエントリへのコメントに曰く

目標の設定などは、みんな(EToys MLからViewpointsのコアチームまで)で考えて、最後はアランさんが決めているように見えます。こんなのはどうだろうという提案がそのまま採用されることもあります。個人的には、Squeakers DVDに出ていたオープンチャータースクールの子どもたちのように、放っておいても自分のために勝手に使うようになれば勝ちかなと思っています。

みんなで考えてアランさんが決めているのは、カリキュラムとしての各時点での到達目標のことだと思いますが、もっと大きなeToysをOLPCに乗せなくてはいけない明確な理由(コンセプト)からして実は定かではなかったりします。
私が勝手に想定していたのは以下です。

  1. 自然科学:現実世界のシミュレーションを行うためのツールとして使用(そのための方法論として、まずは「微分形式養成ギプス」としてふるまう)
  2. 人文:オーサリングツールとしてダイナミックなオブジェクトを使って各種情操表現を行うために使用
  3. 自然科学:計算機工学的なアルゴリズム実現のための環境として使用

SqueakersDVDやPowerful ideas in classroomを見る限りではこの順番かなぁ、と。
1.と2.はどちらが優先というものでもないのですが、あえてどちらかをとるのであれば1.かな、というぐらいの感じです。
3.はあくまで1.や2.を実現するための手段です。山宮さんがやっていたチュートリアルは、この意味では3.のさらに前段階に当たります(計算機工学の前にコンピュータの使い方を知っておかなければなりませんので)。
このあたりは実際のワークショップを一度でも見ればなんとなくつかめるのかもしれませんけど。


あと、OLPCそのものとのかねあいではあるのですが、年齢層ってどのくらいをターゲットにしているのでしょう?
山宮さんのチュートリアルを見て、程度としては6,7歳ぐらいをターゲットにしているように感じたのですが、どの程度の識字率と数学の到達度を想定しているのかが気になりました。
あのチュートリアルは、操作を教えるということと、チュートリアル自体を分解して構造を楽しむという2段階にカリキュラムが分かれていると見ているのですが、分解した中に含まれる数学的知識(たとえば、不等号や変数)を理解するのが、教科書としてOLPCを使っている間でなければあまり教育効果は高くないような気がしています。各国の義務教育の期間がどの程度か判りませんが、非義務教育、日本でいうところの高校ぐらいになるとさすがにOLPCを教科書がわりに使うことはなくなるのかなぁ、とか。
まぁ、数学に対するカリキュラムも、各国の教科書とは別にeToys内に内包するという方針があるのかもしれませんけど。


うーむ、まずはOLPCとか、途上国向けとか案ずるよりも、再利用を考えずに勝手に想定して試しに作ってみた方が感覚がわかるのかなぁ。

  • 小学1年生向け
  • パソコンを触るのは初めて
  • 当面の目的として、eToysを使って微分形式のプログラムを組めるように
  • 必要な数学的知識/技術的知識はカリキュラム内に含む
  • なるべくコンピュータ単体ではなく現実の観察とシミュレーションを組み合わせる形で
  • 先生に教わるのではなく、あくまで自習で進める

おお、カリキュラムの項目出しからして大変そうな想定だ。