Timedomain miniと谷山浩子

オフィスで夕食を作りながら*1Timedomain miniでCDを聞いていたのですが、炒め物をしながら「背後から声を掛けられている感触」に振り向いて、その瞬間に「歌に対して人の声と勘違いしていた」事に気付きました。
音楽CDの歌って、レコーディングする際にもその後トラックダウンする際にもそれなりのエフェクトをかけるわけだし、ま、当然の事ながらオーディオ機器のスピーカーは音楽をきちんと聴かせるためにいろいろ細工してるので、ふつう、音楽を聴いているときには耳自体が「音楽聞くモード」にシフトして感応周波数とかをいじってるっぽいのですが、ふとした弾みで「音楽ではない」と認識するような声のものを聞くと、凄く違和感を感じるですよ。


聞いていたのは谷山浩子のベストアルバム「Country Girl」。
とはいえ、ファンやって長いのでこれに入っている曲のほとんどはリアルタイムで、それこそテープがすり切れるほど聞いていたので、いまさら違和感を感じるようなものではないはずです。脳内で鳴り響いている音は、後ろでうすーく響いているシンセサイザーアンビエント音ですらも再現しているぐらい。
にもかかわらず、これに収録されている曲のいくつかで思わずはっと意識を引き戻される瞬間があるということにいまさらながら気付いたりします。具体的には「うさぎ」の歌い出し8小節とか、「SORAMIMI」とか。
確実にこの辺の歌、聞いた回数3桁は行っているはずなのになぁ。確かにTimedomain miniで聞いたのは初めてかもだけど。
しかし、こうして昔の曲を聴いてても、谷山浩子の一連の作品のレコーディングとトラックダウンが本当にうまいなぁ。特に80年代中ほどの作品は一つ一つの楽器や声の響きが絶品。最近の、技術が発達したディジタルレコーディングでもこの境地まではなかなかたどり着かないくらいです。
当時、心酔していたのは、単に10代の電波のなせる技(^^;)じゃなくて、単にほんとにいい物だったんだと言うことがしみじみ判る今日この頃でした。

*1: Florian のオフィスはなぜか昼食、夕食は自炊です。始めてきた人に晩ご飯を振る舞うとそれはそれは驚かれるけど(^^;)。