MDR-EX51とMX-400

つい最近CLANNADを一応コンプリートしたので、おまけCDのMABINOGIを行き帰りにポータブルCDプレイヤー(Panasonic SL-CT570)とカナル型インナーイヤースピーカー(SONY MDR-EX51)で聞いています。
生音風味のサンプリング音源(この間作曲家の方に教えてもらったVIENNA社の音源かな?)でリアレンジされた聞き慣れた曲はなかなか新鮮で、今度機会があったら弦楽四重奏を使おうと思ったりとか、まぁ、いろいろありましたが。
で、ここのところオフィスで作業することがあまりなかったので、二日振りくらいにオフィスに戻って多少作業をしながらTimedomain miniでこのMABINOGIを聞いたら、なんか、こう、全然違うのにびっくりしました。
特に違うのがボーナストラックに入っている「メグメル」。これは、このCDの中では異質な曲で、本編と同じ方針のアレンジのロングバージョンなのですが、生音風味というよりも、ディジタル音源を前面に押し出した非常に今風の曲になっています。
この曲をインナーイヤーで聞いた時にはエコーかかり過ぎの今時な音で、その割には低音がきちんと出てないなぁ、なんて事を思っていたのですが、Timedomain miniに同じCDプレイヤーでつないだ時にはエコーが実は割合素直に響き、そのうえ低音も出過ぎない程度にそこそこあり、何よりもバックで流れるギターのカッティングが予想以上に曲の中身にかかわっているのが分かります。
つまり、この曲、今まで全然「聞けてなかった」ことに気づいたのでした。


そう思って聞くと、MDR-EX51では以下のような感触に気づきます。

  • 特定の音色でノイズが乗る
  • 低音が伸びない

・・これ、なんか覚えがあります。MDR-E888を使っていた時にも晩年は同じような症状になってきて、あきらめてMDR-EX51を買ったのでした。
ようは、使い方が粗くて、ヘッドホン自体が痛んでいるって事ですね。とくに、低音が「出過ぎ」という評価されることが多いMDR-EX51よりも、無理に低音を上げようという意志があんまりないTimedomain miniの方が低音が出るって事は、明らかに変です。
MDR-E888は使っているうちに筺体とゴムバンドが何度も外れてしまい、そのうちに振動板が痛んだのだろうなぁ、と、ある程度見当がつくのですが、今回は外傷は特に見当たらないので中で何が起こっているのかまでは分かりません。
分解して掃除しようにも、はめ殺しになっているパーツを無理やり開けて内部を歪ませたり、切り粉が振動板についたりしても嫌なので、溜まっているはずのヨドバシのポイントを使って新しい持ち運び用のスピーカーを買うことにしました。


気になっているのはこの辺です。

あとすごく高くなるけど。

  • AudioTechinica ATH-EM7
  • KOSS PortaPro
  • SHURE E-2

MX-400は、前々から気にはなっていたものです。でも、MDR-EX51に慣れちゃっていたので、いまからオープン式のを買っても違和感があるんじゃないかなぁ、という危惧があって、なんとなく手を出しそびれていたのでした。あと、やっぱり日本製の「片方にコードが集約している」タイプのインナーイヤーに慣れると、微妙に使いづらそうに思えていたり。
Panasonicカナル型(通称「パナル」らしい「パナカル」を思い出すTRON者のFlorian(^^;))RPH-JE50は、カナル型好きの身としては気になる存在でした。なぜかMDR-EX51より実売でやすいし。Panasonicって、SONYよりも、音をいじらない傾向にあるし。もしこれもそうだったらいいかもって気はします。
MDR-ES931は最近やたらと話題に上るインナーイヤーです。MDR-E888と比較する人が多いので、コストパフォーマンスって意味では気になっていました。
The Plugは、ホントに気になるってだけですね(^^;)。遮音性は高いそうですが、聞くまでの、外すための儀式が面倒そうですし。耳の近くで、正しい波形で、外の音が入らない状態ってのはある意味理想ではあるんですけど、周波数特性のカタログスペックをみている限りでは振動板はあまりいいものじゃないような気はします。ま、値段も安いですし。
ATH-EM7は仕事場の人が使っていて、なおかつオーディオテクニカの「安くない方の仕事」を信用している身としては気になることこの上ない代物です。インナーイヤーじゃない上、高いけど。
PortaProはネット上での評価がえらい高くて気になるもの。デザインや運用性とかではATH-EM7の方がずっと良く見えるんですけど、オーディオ機器って、デザインで聞くものじゃないし。
SHURE E-2はあこがれです。はい。売ってるところ、みたことないけど(^^;)。


で、せっかくなのでヨドバシで見てみることに。音を聞くことはできませんが、少なくともSHURE E-2以外は物がおいてあるので、カタログスペックと見かけだけをじっと吟味してみました。


MX-400は、見るからにふつーのインナーイヤーです。カタログスペックを見る限りではあんまり高域も低域も出ないっぽいですが、ネット上の評価では中音域の事ばっかりだったので、そーゆーもんかと。それにしても、「Recommend for MP3」って宣伝文句は、全然商品価値を上げてないような気がするんだけど(^^;)。いや、なんとなく。
RPH-JE50は、なんかよさげです。チップも形状的にはMDR-EX51に似てて装着感も良さそうだし。
MDR-ES931も、ふつーのインナーイヤーですね。サイレントチップだの、バスブーストチップだのがついているのですが、個人的には出力後の物に柔らかいエンクロージャ(?)をつけて周波数特性をいじるのは好みじゃないのでちょっと幻滅。
KOSS The Plugは、やっぱりチップの巨大さに引きますね。標準的な耳穴の持ち主としては、こんなの突っ込んだら壊れちゃうって感じ(何が(^^;)?)。
インナーイヤー以外は、やっぱり実物を見ると大きいのが気になります。


で、いろいろ考察した訳ですよ。
MDR-ES931が、なにげにチップを取っても素直な音になることを期待して(むしろ、素直な音を一般人向けに細工するためにわざわざチップに分けているとか)作られているのかも知れないなぁ、とか。でも、またこれは壊れそうな感じがするなぁ、とか。
RPH-JE50は確かによさげなんだけど、なんか、こう、冒険がないよなぁ、とか。
で、結局悩んだ末買っちゃいました。MX-400。ポイントで(^^;)。全額ポイントで何とかなりました。MX-500も買えたんですが、ボリュームがついているのはできれば避けたかったので、MX-400の方を。カタログスペックだけ見ると、MX-500の方が周波数帯広いんですね。これまたちょっと悩んでから。
で、今こうして聞いている訳です。


今日は休日だったので表で仕事する訳にも行かず、オフィスにこもって作業をしていたのですが、この間はずっとTimedomain miniで聞いていました。プレイヤーは、はじめはSL-CT570で、途中からは電池がなくなりそうだったのでEG-CDP1000で。音源としてはCD-DAの「MABINOGI」を。
で、Timedomain miniと聞き比べたMX-400の感想はというと。
・・周りがうるさいと良く分からないです(^^;)。いままで、カナル型のをずっと行き帰りに使っていたので、ばっちり遮音されて音楽に集中できたのですが、オープン型のインナーイヤーなんだから当然なんですが外の音が音楽に混じってくるんですね。カナル型に慣れると、元の環境に戻るのが大変な気がしました。ええもう。
ま、静かだからといって、買ったばかりでエージングもしてないし(物性的なヒステリシスを考えると、エージングにどの程度意味があるかは微妙な気もしますが、一応一般常識として)、MX-400本来の音が聞こえるようになるまでは少しかかるかもですが、初めて先代のMDR-EX70を聞いた時ほどの感動はないかなー。
初めの話に戻ると、電車の中という雑音だらけの空間で評価するのはちょっと何ですが、それでも「メグメル」のギターは一応聞こえました。ボーカルの息遣いもTimedomain mini程ではないですけどそこそこ感じられます。その代わり、MDR-EX51よりももっと低音は出ないですけど(^^;)。
しかるに、MDR-EX51の低音が出てない「気がした」のは、実際の低音域ではなくて、ベースやドラムに付随しているはずの細かな音が聞こえてなかったせいで、実際の周波数特性的にはきっと低音も出ていたんでしょうね。感覚を解釈するのは難しいなぁ。


ともあれ、「冒険がない」とかいって買わなかったRPH-JE50にちょっと未練はありますが、しばらくはMX-400で暮らしてみましょう。第一印象はそんなに良くなくても(いや、周りがうるさいのはMX-400のせいじゃないんだけどさ)、見えてくる物があるかもしれないし。
そうそう、外人向けらしく耳パーツが大きくて、耳穴の入り口の突起がいたいです(^^;)。はじめ、パッケージ内のウレタンフォームに気づかなかった時に比べればだいぶ痛くなくなりましたが、でも、やっぱりこれって大きいよなぁ。日本でこれ使ってる人、みんな我慢してるんだろうか。うーむ。