弾幕のゲシュタルトと斑鳩とレイディアントシルバーガンとカラス

ケイブ系のシューティングはいつからか(エスプレイドくらいかなー)「敵の弾はある方法で得点にすることができる」フィーチャーが当たり前になりました。その瞬間に単なる脅威を表現するはずだった敵弾は「おいしい得点源」に切り替わりました。弾幕の持っていた脅威を示すゲシュタルトが快楽を直接導くためのご褒美と化したのです。「倒した敵の弾は全部消えて得点。近ければ近いほど良い」という強烈なゲームデザインの「ケツイ」、覚聖時の時間制限によって意味ががらっと変わる「エスプガルーダ」等々。
一番強烈だったのはやっぱり「斑鳩」でしょうか。ボタン一つで、ついさっきまで脅威だったはずのものが自分にとって優位になるという。切り替わるタイミングの流れ弾でのミス(また打ち返し弾が広範囲なのがいやらしい)や、「今どっちだっけ?」というプレイヤーの感覚でゲシュタルトが大いに変化します。
レイディアントシルバーガン」もかなりその手のネタが多いです。特にレイディアントソード。ほとんどボム扱いなのに、溜めるには「紫のへろへろ飛んでる弾を斬りつける」事でしかたまらないという。あのへろへろだまを見る度に「カモが来たぜ」という気分になります。
強烈なのが「カラス」。全く攻撃行動をしないとプレイヤーの前にシールドが展開され、これがまたえらい強力。攻撃しないとどんどんレベルが上がって下手な攻撃武器よりも使える何かになります。敵を見る度に早く攻撃しないかなーという変な気分に。弾幕なんかお宝です。


最近やっている「トラブルウィッチーズ」はまさにこの系譜で、弾幕を見かけたらとりあえず魔方陣を張って弾の主をゆっくりやっつけていくという。もう弾が金貨にしか見えません。
ここまで来ると「弾幕は脅威である」というゲシュタルトはメタ化され、「弾幕という存在がある」という事情と、「通常危ない」と「上手くすれば大儲け」が混在する……のですが、いやー、「斑鳩」なんか切り替えのタイミングがつかめません。一度頭の中にできたゲシュタルトは強烈ですね。
ちなみに拙作「ワルプルギス」は意図的に弾幕ゲシュタルトは「必ず危険なものである」という古典的な立場に立っています。シンプルなゲームにしたかったんです。シューティングゲーム初心者のために。
最近は「すべのシューティングはX360に集まる」という勢いでシューティングが出てますがそりゃー、いろいろ買ってます。むしろこんな安くていいのかって感じ。
あ、その中では「ストラニア」はあんまりゲシュタルトの崩壊のない素直なゲームですね。
どれもさんざんやってます(仕事しろ)。