なんか文学的な夢を見た

「本、出たんだ」
「そう、きみのことを書いた本」
「タイトルは?」
「ゼロ」
「連作短編?」
「そう。うち転がりこんでできた男の子のことやきみのことが書いてある」
「ふーん」
「気になる?」
「自分がどう見えるのかは気になる」
「じゃあ、読んでみな」
自分は、その作家の家の前で寝ていてところを保護された(拉致された、とも言う)若い男でした。
「僕、役に立ってない。いるだけだ」
「なにせ、きみは何もしなかったからね」
「いいの?」
「仲間内では絶賛されてる。世間一般の評価や売り上げはどうかな。今時純文学でもないよね」