JavaFX

ライトウェイト開発環境としては、そんなに悪くないです。
さすがにFlash/Flexほどの簡便さや動きのきびきびさはないですが、計算のピーク性能はさすがのJavaVM(Flashは逆にピーク性能はたいしたことない。スレッドが無くて、全CPU時間に対するフレームレートによる縛りがあるから。マルチプロセシングにも向いてない)。
とはいえ、Flexに立ち向かうにも、あっちは「インストールベースが凄くあるFlash上で普通のプログラムを組む」事が目的なので、そもそもインストールベースが少ないJavaApplet環境で同じ事が出来ても何もいいことはない訳で。
だいたいにして、iPod/iPad/Androidのブラウザ戦争でFlash対応が争点になることはあっても、JavaAppletやJavaWebStartが争点になることはまず無いですし。
あ、いや、たとえばMoorestown(IA-32)のmoblinなんかでHotSpotJavaVMを動かすのは簡単ですよ。Netscapeプラグインにも対応してるので(名前がすでに古いよなー)、ブラウザ上で動かすことも楽に出来ますし、単体アプリで動かすのも簡単。なんならSwingの上にもう一枚薄いレイヤーをかぶせてタッチパネルアプリとして動かすことも出来ますし。ドラッグイベントを横取りしてスクロールイベントに変換するだけでもたぶん十分でしょう。
でも、「だからそれがメリット」だとは誰も思ってくれないのがなー。
IA-32が動くというのは「既存のアプリが使える」のがメリットでもなく(だって、Windows動かないし)、Linuxドライバがたくさんある訳でもなく(だって、どうせ新規ハードウェアだからつくんなくちゃならないのは一緒)、「本物のHotSpotJavaVMと、本物のFlash10が動く」って事と、FirefoxGoogle ChromeみたいなJITしまくりのJavaScript環境で「本物のJITが動く」って事ですよ。この辺の「本物のJIT」はIA-32という命令コードにばっちりひも付いてる訳だし。
JavaFXの先がないだろうという予想はOracleに買われた時点ですでに既定路線として(さっきも書いたけど)、Moorestownのキラーコンテンツはしばらくの間(AdobeがAVMのJITをARM向けにやり始めるまでの間)「JavaVMとAIRのパフォーマンス」くらいかなぁ、と思う今日この頃。HotSpotJavaVMのARMポートは本格的にはやらないんじゃないのかなぁ。IBMのJ9はJITするっぽいけどJ2SEじゃないしなー。Moorestownを採用したハードウェアが出ることにはAVMのポーティングは終わってそうだけど。