ネットワーク上のデータのライブラリ化

Windows7 Home Premiumは、ネットワーク上(UNC)のデータを「ライブラリ」に追加できません。外部ハードディスクはできます。でも、リムーバブルメディアのデータはできません。
なんか、よくわかんない制限ですが、マイクロソフトの言い分によれば、「フォルダのオフライン使用がサポートされていないエディションではライブラリ化の制限があります」とのことでした。


ところが、Windows Media Playerで「音楽」などのライブラリに対してフォルダをドロップすると、なんとライブラリに参照が追加できてしまうのです。で、Windows Media Playerで見ることのできない「ドキュメント」には追加できません。
あー、なるほど。ひとつの機能にいくつもの方法でアクセスできると本来統一されているはずの機能にほころびが生まれるわなー。横の連携とれてないというか。
そんなところから機能の生まれた経緯を推測することができます。


多分、「ライブラリ」という機能(フォルダをいくつも束ねて一つの仮想フォルダとしてアクセスする機能)は、もとは、Windows Media Playerなんかで使われていたデータベースの機能をOS全体に拡張しようという発送から生まれたのだと思われます。実際の物理ファイルがどこに有るかはともかく、メタ情報をもとに検索できるようにしようという発想はiTunesなどでも行われていましたので、珍しいものではありませんね。ファイルの位置はどこであっても、検索するためのきちんとしたインデックスがあれば、すぐに見付け出すことが出来るはずであろうというのは、ファイルがとにかく増えていく現代においては有用な方法論です。メタ情報(例えば、アルバム名、作者名、日時など)をキーに検索できるのなら、ファイルシステムは一次元的であっても問題はないはずです。もともと、フォルダ・サブフォルダというUnixファイルシステムはそのうち破綻するのが目にみえていましたし、この方法論自体は現代のOSとしては妥当でしょう。
問題は、Windows VistaNTFSにはそんな機能はついてないので、ファイルのインデックシングのためには、インデックスのためのメタ情報を別のところに持つ必要があります。そこで目をつけられたのがWindows Media Playerだったのではないかと。
ファイルの検索を効率化するのは現代のOSとしては必須の機能である、ということは、「高いエディション」では使えて、「安いエディション」では使えないようにしておかないと差別化できません。ですが、もともとWindows Media Playerにはその機能が備わっていたので、「今まで出来ていたことをできなくする」というわけにも行かず、結果的に機能制限にほころびが生まれたんじゃないかと。
有り物を使ってよしなにでっち上げるという方法論自体はさほど問題はないでしょうけど、きちんと連携とらないとこんな事態になるなぁ、という例でした。
自戒の意味も込めて、メモしておきます。