Windows Mobile ClassicのUIガイドラインから立ち位置と未来を占う

蔵出し没ネタシリーズです。2006/4/22から引っ張ってきました。書き掛けだったものに今の知識で追記しています。


最近(当時)は時間があればMSDNC#の部分を端から端まで読んでいます。リファレンスなんか一瞬で通り過ぎるのですが、たまに思想的な部分が顔をのぞかせて、.Net Frameworkを構築した人たちが何を理想と見て作っていったのかがわかって面白いです。ついでに、今のWindowsとの整合性を得るために、何を妥協したのかも一緒に見えてきますけど(^^;)。


それはさておき。
特にOSのUIガイドラインは設計思想が色濃く出ています。デスクトップ向けWindowsは、結局良くも悪くも「メニュー文化」が幅を聞かせていて、完全にGUIにシフトするのを拒んでいます。
ところが、これがWindowsCEになると、微妙にその辺が揺らいでくるのが見えます。これは、WindowsCE H/PCからPocketPCそしてWindowsMobileに至る途上で限られたリソースをどこに割り振るか悩んだ結果、微妙に歪んだ形で立ち現れているような気がします。
まず、TabとAltの存在です。Windows Mobileは通常TabキーもAltキーも無いものとしてUIを設計します。そのかわり、ソフトキーとカーソルキーと決定キーでUIを操作できるものとして考えます。
にもかかわらず、WindowsMobileは互換性のためにPocketPCの頃にあったソフトキー非対応メニューバーとツールバーも使えてしまいます。すると、キーによる操作だけではどうにもなりません。画面をタップして操作する必要が出てきます。
また、画面中に存在するコントロール(ボタンやリストなど)を操作する際、WindowsMobileは画面のタップ以外方法がないことが良くあります。せっかくのソフトキーやカーソルキーも、WindowsMobileメニューに入っているもの以外は使い道がありません。
どうにもWindowsMobileはデスクトップ向けOSのWIMPインターフェースに引きずられている部分と、制限された入力装置を使おうとしているところの合間にちょうどいるような気がしてならないのです。そのくせ、何でもキーで操作できるデスクトップ向けWindowsに比べてキー回りの機能は制限されています。
象徴的なのがタッチパネルを持たないWindowsMobile Smartphoneでしょう。タッチパネルが無くても使えるようにしたかったというマーケッティング側の要請と、OSの機能が見事に乖離しています。


WindowsMobileは過渡期のOSというのは見るからに判るので、立場上隙間にはまっているのは非常に理解できます。
ただ、もうちょっといろんな意味で突き抜けられると汎用組み込み用OSとしてはおもしろいのになぁ、とも思うのでした。


(この辺から現代)
アプリケーションのフレームワークとしては、ここで話している.net Framework2.0(Windows Form)から、既に新世代のWPFMicrosoftの興味は移っています。既に妥協している部分はほとんどなく、いろんな意味で先進的です。
そういえば、はじめてWindows Formが世に出てからWPFを推し始めるまで5年くらいかぁ。Windows Formの寿命は短かったなぁ(^^;)。C#という遺産は残せたからいいのかな。
WPFを見ていると、Microsoftが今後どういうOSを作ろうとしているのかよく判っておもしろいです。
あー、逆か、WindowsVistaになにが間に合わなかったのかよく判るというか(^^;)。何から何までWPFで作られており、WPFに最適化されたOSだったらかなり先進的だったんでしょうけどねぇ。ま、この辺はWindows7に期待ってことで。
……今度こそWPFメインの環境になるんだよね?