恋愛小説ふいんき語りライブ@オリオン書房ノルテ店(http://blog.lv99.com/?eid=733288)

♪ヴェートーベンのデスマスク


それはさておき。
せっかく近所でやっていたので行ってきました。実は金曜にひいた風邪がぶり返してて頭痛かったんだけど。

  • 友情

個人的にはあまりおもしろい本ではありませんでした。まぁ、つっこみどころは満載で(これはライブでもさんざん言ってた)、そのくせドラマらしいドラマはほとんどないという。私が編集なら総没を食らわせます。
家人は高校生の頃に読まさせられたとのこと。うーむ、国語教育の権威はこれに価値を見いだしているのかぁ……。ま、私は高橋源一郎の価値も、村上春樹の価値も判らないのでメインストリームではないことはさすがに認識しているんですけど(うわ、よく見ると新潮文庫版は亀井勝一郎が解説書いてるよ。この人も苦手なんだよなぁ)。
……いやいや、笑い転げながらクソゲーをクリアするぐらいの心の広さを持ってないと文学は楽しめないですね。反省。


えーと、作品の話はともかく。
麻野さんの主人公の説明がいい感じでした。あの性格を今風に言うと確かに非モテキモオタデブなのですが(^^;)。そのまま絵に描かれるとインパクトありますねぇ。
その上、小説ではくどくどと語られる文学論、芸術論、政治の話などをさっ引くと、ますます身も蓋もない本性が明らかに。思わずつぶやきました。こんな話だったっけ? と。いや、あらすじ的にはそのまんまだったのですけど。
まぁ、あらすじはさておき、作品的にはライトノベルなんだろうなとは読んでて感じました。奇しくも米光さんの指摘と被りましたが。共感を抱かせるようなくすぐり(芸術論、政治の話などがきっと当時のトレンドだったんだと思う)で読者をひっかけて、引き込んだ裏側で大ネタを忍ばせるという快楽実現の方法はまさにライトノベル
リーダビリティを高めるためには、地の文も、会話自体の整合性も考えず、読者が読みたがっていることをたれ流すのも商品としては正しいですね。
まぁ、実際には当時の読者が読みたがっていることそのままなのかはちと判りませんが、その上でなんか訳の分からない迸りが紛れ込んでいるというか、にじみ出しているというか、不思議な感触になっているのは確かです。
でもなぁ、この何かの迸り自体は尊いし、確かに迸っていない物語と迸っている物語のどっちの方が楽しいかと言えば、そりゃもう迸っているほうがいいとは思いますが、構成やつじつまをまるまる無視していいかって言うと、流石になぁ。
この迸りをして、米光さんの

今の日本文学に足りないのは武者小路実篤

という流れなんだろうな、とは思います。思いますし、以前こんな(http://d.hatena.ne.jp/Florian/20071115/1195139747)事を書いたりしたのもあるのですが、それでも言います。
この小説、萎え<結局作品の話に戻ってるぞ

米光さんがつらかったとは知らなかったです。
というか、ある瞬間にスイッチが入って、それ以降急に理知的に読み解きだしたのには気づいたのですが、よもやそれがつらかった所為だとは(所為とは言ってないのかな? むむ? 手元の議事録はその辺が抜けてるなぁ)。
恋愛体質じゃない上に少女マンガをかなり無差別に読んでいる立場からすると、恋愛小説自体は恋愛であればすべてが許されるものではなく、つまんない話も歴然としてあるんだろうな、とは思っています。
でも、これを面白がって読むためには文章構造などを読み解く(それが、作者が想定したものでも、想定した読者向けののものでもないと知った上で http://d.hatena.ne.jp/Florian/20071113/1194969602 )しか無かったのかなぁ、と。
本読みの道は険しいなぁ。難しいなぁ。


恋愛は良くわかんないよね、という麻野さんと飯田さんの話は、ちょうど今興味を持ってみている部分でした。
まさにHot Dog Pressなどがかつて担っていたどーでもいいようなマニュアル化の項目は、今ちょうど恋愛ハウツー本として、特に女性に大人気ですので、恥ずかしがらずに見てみるのがおもしろいかと。
ちなみに非モテから見た男女恋愛指南書対決はこの辺。

まー、非モテ的には、よくわからんって感じです。特に女性側からの視点を所与として扱い、中身を提示していませんので、どうやらロジックがあるらしきブラックボックスをつつきながら読み解くという形になります。
おもしろいのは、この辺の本を当の女性に読ませても、想定している女性像にあまり合致していない所為か、今一つブラックボックスを読み解く助けにならないところ(^^;)。
ま、人それぞれって感じで。
……結局それかい(^^;)。


あ、そうそう。
恋愛指南書をいくつか読んでみて、割合恋のアバンチュールを期待する瀬戸内寂聴な本はすくないっぽいです。露骨に、女とヤれる(男を落とす)という事を大上段におけないという建前上の話かもしれませんが、それこそ武者小路の

恋愛は良き子供を作るためである(人生論)

という立場が割合目立ちます。読んだ何冊かの本では、野生のカンで恋せよ乙女(http://d.hatena.ne.jp/Florian/20071112/1194881862)なんかはかなり明確に打ち出してましたね。
モテ(と、モテ予備軍)の人たちは、一応人生を考えて恋愛してるんですねぇ。

  • スポンジスターと兄妹☆げんか

手に入らないだろうとあきらめていた同人誌と同人ソフトが手に入ってうれしかったです。
なぜかサイン会で無関係なはずの麻野さんと米光さんにもスポンジスターにサインをしてもらったり。
持ち帰って金剛地武史のインタビューにも驚きました。あー、斉藤ユタカさんつながりなのか。なるほど。


(今度こそトラックバックに成功しますように……(^^;))
(追記)トラックバックはあきらめ。何故つながらないんだろうなぁ。