萌え

いつも楽しく読ませていただいている酔漢さんの日記(id:suikan:20041120#1100960572)に、「萌え」という言葉について語っている方(http://danmei.cocolog-nifty.com/danmei/)の話が出ていて、ばっちりオタクサイドの人間としてちょっとショックを受けてみたり。
いや、オタクってのは大変個人的な趣味・嗜好で、人に押しつける物ではないので、書いてある内容自体は至極まっとうなのですが、東浩紀の語る「萌え要素」の「つるぺた」「メイド」「眼鏡っ娘」「猫耳」に対して、内容とその魅力が判らないという事を読んで、自分の認識のずれ具合に、ショックを。


普段からオタクの中に生きていて、オタク向けにプロダクトを作っていると、「オタク以外の人がいる」事に対して意識が薄くなります。なにせ、自分の客ではないのでリアルな想像が出来なくなるというか。
でも、考えてみれば非オタクの人の方が人口分布的にはよっぽど多いんですよね(^^;)。なので、歴史的な文脈(この言葉、好きじゃないなぁ)によって導かれることの多いオタク関連の萌え要素についてなぜ魅力を感じているそうが存在するのかということが全く理解できなくても当然だと思います。
……と、冷静に考えることは出来るのですが、私自身は先の萌え要素アプリオリなものとして見ちゃっているので、それらの言葉を「知らない人がいる」ということが今更ながらショック。
とほほ、社会的な生活を営むにはもうちょっと世界を広く見ないとなぁ。この先、非オタクと会う機会も多いだろうし……。


と、これだけで止めてしまうと情報量が少ないので、元の丹梅さんに参考になるようにオタクサイドからの魅力解説。なるべく、文脈を無視しても成り立つように個人的なところだけで。

つるぺた:「子猫はかわいい」とか「目が大きい、2等身のキャラクターはかわいい」ということをもう少しリアル方面で考えた内容。小さい子をかわいいと見なす感情が、「その実年齢」とは分離して存在する物。
メイドさん:自らに献身してくれる非日常の象徴。日本の文学に特有の「居候する(同居する)非日常」の延長線上。
眼鏡っ娘:多義的な意味がある。酔漢さんの解説が概ねを語っている。
猫耳:「動物」に対する擬人化の最たるもの。「中身は動物」だけど「表現としては人間」としている。参考資料として「綿の国星」(これ自体はちっともオタク的ではないけど、オタクが魅力を感じる理由はよく判る)。

ま、「萌え」という言葉は、様々の物事に対して考察なく「かわいい!」と叫ぶ女子高生とさほどレベル的には違いがないです。だから、コミュニティ外では理解できなくて普通です。女子高生よりもオタクの方が分析的で、分析的であるからリアリティが欠如した奇形的な何かに対して「かわいい」と思いこむというだけで。
とはいえ、奇形的でも、一般から外れちゃってても、実際この辺のものに魅力感じちゃってる自分は否定できないよなぁ(^^;)。